テレビや雑誌でも紹介され、ネイルの常識を覆す機械として注目のオートネイル。導入しているネイルサロンも多いでしょう。便利なアイテムですが、やはり人間の手でしかできないこともあります。
そこで今回は、オートネイルとネイリスト、それぞれが持つ役割について見ていきましょう。
近年注目を集めている「オートネイル」とは?
精密・繊細なアートや手書きでは表現が難しいデザインを、高精細フルカラーで直接ネイルやネイルチップに印刷します。750種のデザインが内蔵されており、組み合わせることで45,000通りものデザインパターンが再現可能。ジェルやスカルプ、ポリッシュなどあらゆるネイルにプリントできます。またスマホなどの写真データを本体に送ることで、ペットや風景などのフォトネイルもOK。更に本体にはカメラが取り付けられており、その場で撮影した自分の顔写真などをネイルにすることもできます。
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施術時間は、ネイル1本につき約1分と、スピーディーな施術が大きな特徴。これまでトータルで平均2時間半かかっていた施術時間を、平均1時間に短縮することができるようになりました。また操作はタッチパネルで行うため、機械が苦手な方でも簡単に扱えるでしょう。本体に指を入れてポンポンとタッチするだけで、あっと言う間に流行りのデザインが完成します。現在は、全国で約100店舗のサロンがオートネイルを導入しているようです。
オートネイルの役割とメリット
これまでネイリストの技術のみで施されていたネイルアートが、オートネイルによって自動的に再現できるようになりました。
これにより、以下のメリットが挙げられます。
難しいデザイン・有名なネイリストのデザインも再現可能
幾何学的な模様や繊細な和柄、写真を使ったデザインなど、手書きでは難しいデザインを簡単に施すことができます。特にフォトネイルは機械にしかできませんよね。
デザインパターンもプリント位置を調節したり、カラーを変更したりすることで多彩にアレンジできます。あらかじめ決められたデザインをプリントすることで、ネイリストのレベルによって仕上がりに差があるということがなくなるでしょう。
またデザインはデジタルデータのため、ネイルのデータを取得することで予約が取れないような有名ネイリストのデザインを再現することもできます。
時間の短縮化による回転率のアップ・新規顧客の獲得
オートネイルは、どんなに複雑なアートでも1本につき約1分で完成するのが大きな魅力。時間がないお客様にとってもメリットとなります。
またネイリストの負担軽減にもなるでしょう。そして時間がかからないということは、一人当たりにかかる施術時間が短縮できるため、その分多くのお客様に施術できるということです。また「サロンに行く時間がない」というお客様も気軽に利用できるため、新規顧客の獲得にも繋がります。ビジネスの観点から見ても大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、オートネイルにできることはあくまで「デザインの印刷」のみ。ベースやトップコートはネイリストの仕事です。また同じデザインでも、ストーンやラメを使ってネイリストがアレンジすることで多彩なオリジナリティを出すことができます。
ネイリストにしかできないこと
オートネイルの登場により、「ネイリストの仕事がなくなるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。しかし、ネイリストにしかできないこともたくさんあります。
自分にしかできないデザイン
上記の通り、オートネイルはあくまで決められたデザインを印刷する「プリンター」。ここから更にデコレーションし、お客様の個性を際立たせるようなデザインにするためにはネイリストが必須です。また世界にひとつしかない自分だけのデザインを作ることは、やはりネイリストにしかできません。自分のテクニックと感性を駆使し、お客様の求める唯一のデザインを作りだしましょう。
お客様の「心」に寄り添うこと
サロンにいらっしゃるお客様は、ネイルさえ完成すれば良いと思っているわけではありません。サロンという特別な場所で癒されたいと思っています。そのため、お客様とお話して気持ち良くお帰り頂くことも大切なポイント。暖かみのあるコミュニケーションを取ることは、やはり人間であるネイリストにしかできません。会話の中からお客様の気持ちやネイルをする背景を読み取り、適切な施術を行いましょう。
オートネイルも徐々に浸透してきており、多くのサロンで広く使われるようになってきました。オートネイルにできることとネイリストにしかできないことを理解し、うまく仕事に取り入れていきましょう。両方の良いところを活かすことで、更にお客様に喜んで頂けるはずです。