寒い冬からポカポカと春めいてくると、なぜか眠気が強くなりませんか。春眠という言葉があるくらいですから、自分だけが眠いわけではないようです。春になるとしっかり睡眠をとっていても眠たくなる、それにはきちんとした理由があるようです。春の眠気の原因とその対処法についてご紹介します。
春に眠気が強くなるのはなぜ?
自律神経がバランスを崩している
私たちの身体は、自律神経というものによって大きく左右されています。自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、それぞれ緊張とリラックスの役割を持っています。
通常、朝は交感神経が優位になることで活動的に、そして夜には副交感神経が身体をリラックスモードにしてくれることでスムーズに入眠へと向かいます。
しかし寒い冬には身体が常に緊張を求められ、それが春になって暖かくなることで緊張感がようやくほぐれ、必要でないときにも副交感神経が優位になってしまい眠気がやってくるのですね。
交感神経と副交感神経はちょっとしたことでバランスを崩しやすく、ストレスを感じるときや季節の変わり目にはそれが顕著に現れますが、これは珍しいことではありません。
メラトニンと眠気の関係
メラトニンとは、「睡眠ホルモン」とも呼ばれるもので、体内時計の役割を持っているとも言われます。朝日を浴びることでリセットされ、夜を迎えるとメラトニンが分泌されることで眠気を誘います。
しかし冬と春では朝日が昇る時間に差が出ますし、日照時間も大きく変わってきます。こうした変化に身体がついていけないため、春は常に眠気をひきずっているような気分になるのです。
様々な理由が重なる時期でもある
上記の2点に加えて春は進学や就職、異動、引越しなど環境の変化が起こる時期でもあります。これに気温の変化なども重なり、慣れない生活での疲れやストレスもたまりがち。こういった理由が重なることで、春は寝ても寝ても眠いという状況に陥りやすいのです。
良質な睡眠をとるために
寝る前のスマホ・パソコン使用はやめる
良質な睡眠をとるためには、気持ちよく入眠できる環境を整えることが大切です。寝る前に布団の中でスマホを見るクセがある人は多いのではないでしょうか。
これはスマホのブルーライトによって脳が興奮状態になってしまうので、すんなり寝付けなくなる原因に。興奮状態になった脳はしばらくは落ち着けないので、できれば就寝の1~3時間前にはスマホやパソコンを終わらせるのがいいでしょう。
できればテレビも30分~1時間前には消すようにします。何となくついているだけのテレビなら尚更、思い切って消してしまいましょう。
部屋を暗めにして、身体をリラックスモードに
身体は体内時計によって朝目覚め、夜になると眠るというリズムが作られていますが、現代は夜でも明るいために身体がまだ活動時間だと勘違いしてしまいます。
夜は眠る時間と記憶させ、スムーズに眠気を誘うためには部屋の中を間接照明などで暗めにします。アロマランプやキャンドルなどで、好みの香りを漂わせるのもおすすめ。
睡眠に効果的と言われる香りはカモミールやラベンダーです。脳も身体もリラックスモードになり、すんなりと眠りにつくことができますよ。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
お風呂はいつもシャワーだけという人もいると思いますが、睡眠の質を上げるならお風呂に入る習慣をつけましょう。リラックス効果を得るためには、ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かるのがおすすめです。
反対にシャキッと目覚めたいときには熱いお風呂やシャワーがいいですよ。状況に合わせてお風呂を上手に使いましょう。また、入浴は寝る直前よりも、30分~1時間くらい前に入るといいです。
これは、身体が温まった直後よりも温度が下がってきたときの方が眠気を誘うからです。この時間には眠りにつきたい!と思っているなら、逆算して入浴することで自然な眠りにつけますよ。
日中に眠くなってしまった時の対処法
身体を動かす、刺激する
うとうとと眠たくなってきたら、まず立ち上がったり軽く体操するなど身体を動かしましょう。冷たい水で手を洗うなど刺激を与えるのもいいですね。頭が少しスッキリとするまで、足踏みや屈伸をしたりストレッチをしてみてください。迷惑にならなければ声を出すのも目が覚めますよ。
ガムを噛む、飲み物を飲む
動き回ることのできない場面では、ガムを噛んだり飲み物を小まめに飲むことで眠気を覚まします。噛む行為は身体を目覚めさせる効果がありますし、ミント系のガムにすれば更にスッキリ。
飲み物は熱くても冷たくても刺激になります。お茶や炭酸飲料でもいいですし、カフェイン飲料にすれば次第に眠気もおさまってくるでしょう。
耳を引っ張る
同じく身体を動かせない場面では、耳を引っ張って刺激するのもおすすめ。耳には多くのツボがあるので、引っ張ったり揉んだりすることでスッキリしてきます。
軽く引っ張る程度では気持ちいいだけなので、思い切ってギュッと引っ張りましょう。横や上下、ぐるぐると回したりして刺激を与えれば、徐々に頭もスッキリしてきますよ。
それでも眠いときには5分寝る
どうしようもなく眠気が取れないときには、思い切って寝てしまいましょう。うっかり爆睡してしまわないようにスマホのタイマーをセットするのを忘れずに。5分だけでも眠りにつけば、頭はかなりスッキリします。
とはいえ、会議中や接客中にこの方法は使えませんので、昼間はいつも眠くなってしまうという人は、休憩時間に5分~10分でも仮眠を取るようにしましょう。その後の眠気が違ってきますよ。
まとめ
春の眠気の原因や良質な睡眠をとる方法、眠たいときの対処法をご紹介しました。春に眠気に襲われるのはホルモンが関係していたんですね。冬から春への切り替えをスムーズに行えるよう、いつでも生活リズムは整えておきましょう。
また、良質な睡眠をとるためには自然な眠りを誘う環境作りが大切です。就寝の1時間前には目も脳も休めて、身体をリラックスさせること。日中に眠たくなったときにはあらゆる目覚まし方法を試してみてくださいね。