知っておきたい!誰もがいつでも妊娠できるわけじゃないこと 『妊活アドバイザー直伝:ネイリストさんに知ってほしい大人の保健室⑭』

ネイリストさんであれば、色々なお客様と接しますよね。お話の中では、職場の愚痴、プライベートな悩み、美味しいランチのお店、最近流行のファッション…様々なお話が出るかと思いますが、そんな明るい笑顔の裏側で、不妊で悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、そんな悩みを抱えていらっしゃることは基本外見ではわかりませんよね。だからこそ、思わぬ発言でお客様を不用意に傷つけてしまわない為にも、一つの知識として知っていてもらえたらと、2017年になって新聞等で話題になった不妊治療の最新技術の話をさせて頂きたいと思います。

「医学は日進月歩である」こんな言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?実際に医療の現場では次々に新しい治療方法や薬が開発されておりめまぐるしい変化が起こっています。
そして、これは不妊治療の分野も同じです。
新しい技術が生まれ、本当なら妊娠を諦めていた夫婦が我が子を持てる。そんな時代もそう遠くないことかもしれないのです。その反面、倫理的な問題もあり、一概に「良い」「悪い」で判断することは出来ません。

卵子提供という選択肢

“卵子提供”というと自分には縁のないような言葉に聞こえますが、不妊治療を長年続けていると、いずれ選択肢としてあがってくる方法の一つにもなってきます。

今までは日本には決まった法制度がなく、卵子提供による出産を望む女性は海外で卵子提供を受けるケースも多いとされていました。
その為、金銭的な問題や渡航にかかる日数の問題もあり誰しもが可能な選択肢ではなく、自分には無縁な世界のようにも捉えられがちだったのです。

しかし、先日第3者の卵子提供による出産がニュースで取り上げられ、国内で、このケースの出産報告は初めてだったこともあり、大変話題になりました。

卵子提供という事で、親子関係の規定や子どもが出生の事実を知る権利という面がしっかり議論されず、技術だけ先に進んでしまった為に、倫理面では大きな課題を残した結果とはなりましたが、今まで早発閉経や卵巣ガン、体外受精の採卵において十分に卵子が育たず妊娠を諦めていた女性にとっては新たな選択肢になるのではないかと思われます。

実際、不妊治療のやめ時の一つに、妊娠に十分な卵子が採卵出来ないようになり不妊治療を諦めるという選択をされる方もおられます。
その時に新たな選択肢の一つに卵子提供が加わってくるのだと思います。

ただし、卵子提供を受けたからと言って必ずしも妊娠が可能なわけではなく、
また血のつながりがない子どもを妊娠・出産し育てていかなかればならないという点も忘れてはいけない事だと思います。
また、卵子提供という選択肢が妊娠を先延ばしにする選択肢にはならないでほしいなと思います。

子宮移植という選択肢

加えてこんなケースも。
先日、子宮移植による出産が発表されたことが、議論を呼んでいます。
子宮移植に関しては、卵子提供以上に様々な問題を含んでいる為かなり慎重な議論が必要になるとも言われています。

子宮移植の対象となるのは、4000人~5000人に1人の割合だと言われている生まれつき子宮を持たないロキタンスキー症候群と呼ばれる先天的な疾患を持つ女性や、子宮がん等で子宮を失った女性など。

ただし卵子提供とは違い、子宮移植は子宮提供者にも子宮を提供される側にも大きなリスクを伴います。だからこそ慎重に話を進めなければいけない一方で、子宮がない為に結婚すら諦めていた女性にとっては結婚や出産が考えられるきっかけにもなるという意見もあります。

いかがでしたか?
少し難しい言葉も並んだので、自分と当てはめられない、ピンときにくい、そんな難しい内容だったかもしれません。ただ、目に見えてわからない部分だからこそ、実はお客様の中にはこのようなお悩みを抱えて悩んでおられる方もいらっしゃるかもしれないということ。新聞やニュース等で取り上げられて話題になった内容だからこそ、一つの知識として知っていてもらえたらと思います。

もちろん、卵巣がんや子宮ガンによって妊娠を諦めざる負えない状態になるのは決して他人事ではありません。だからこそこういう選択肢があるという事を知っておくこともまた必要じゃないかなと思います。

それと同時に子宮がんや卵巣がんになったり、不妊で悩まない為にも日ごろの健康管理を大切にして頂き、自分の身体を休めたり、リフレッシュすることも忘れないでほしいとも思います。

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