現役ネイリストが教えるネイリストへの道のり Vol.9 〜大学在学中にネイルサロンのオーナーに。「自分のサロンを持つ」という夢を叶えたネイリスト「エス・ミント」オーナー大野 早紀さん〜

現役ネイリストさんの体験談シリーズ第9回目は、「ネイルサロン エス・ミント」を経営する、オーナーネイリイスト大野 早紀さん。

都内にて念願であったネイルサロンを経営し、忙しい毎日を送っているという大野さんですが、経営者となるまでの道のりは、やはり簡単なものではなかったと言います。

実は、現在経営を行うサロン以外にも2店舗のサロンとスクール1校を過去に経営していた大野さん。
夢であった自分のサロンとスクールを立ち上げるも、ある思いから現在の1店舗のみを残し、残りの店舗とスクールは閉鎖したそうです。その思いとは・・・?

今回は、経営者として、ネイリストとして、双方の立場からネイル業界へ関わる彼女の現在までの道のりについてお話いただいた体験談となっております!

ネイリストを目指したきっかけ

私は小さいころから、爪を噛んでしまう癖があり、常に短くて汚いボロボロの爪をしていました。人前に手を出すのがすごく嫌で、自分の爪がコンプレックスだったんです。

高校生になり、周りの友達は自分の爪にマニキュアを塗ったり、オシャレにしているのに、私はマニキュアを塗るほどのスペースが爪になく、髪を染めたり、化粧はしているのに爪はボロボロでした。

それがすごく嫌で、自分でセルフネイル用のスカルプチュアセットを購入し、独学でネイルの勉強をしはじめたのが、ネイリストを目指すきっかけです。練習していくうちにどんどん楽しくなり、「自分の様に爪に悩みがあったり、オシャレをしたいと持っている人の爪をキレイにしてあげたい!」という気持ちが強くなっていきました。

大学と並行してネイルスクールへ通う

高校卒業後は、親の希望もあり専門学校ではなく、大学に進むことになったのですが、大学2年生の夏ごろ、就職セミナーを受けていても、やはりネイルのことがあきらめきれず、大学に通いながら、ネイルスクールに通うことを決めました。
ただ、そのためには、スクールの学費は自分で払うこと」、「大学との両立をしっかりすること」この二つが条件だったんです。

スクール選びについて

ですから、二つの条件を守るために、スクール選びの際には、大学の授業が無い時間帯に通えるフリータイム制・学費の安さ・通いやすさを重視しました。

ただ、当時はまだ若く、認定講師や認定校の存在を知らなかったということもあり、私が通うことに決めたスクールは、認定校ではなく、認定講師の先生も在籍していなかったのです。

ですが、認定校でないだけで、私が受講したコースは、3級~1級までの試験内容と、ジェルの基本を学べるものだったので、一通りのネイルの基礎は身につけられる内容でした。ですから必死で練習し、資格取得を目指したんです。

結果的に、当時は、3級を飛ばして受験できる制度があったので、在学期間約1年の中で1級までストレートで取得することが出来ました。このときはネイルの勉強も、学業との両立も、本当に大変だった記憶がありますね(笑)。

在学中に1級までの資格を取得

当時のことを少しお話すると、スクールの先生は、2級までしか取得されていない方だったんです。初めの頃は教えてもらっていて、何も疑問を持つことなく、学んでいました。

ただ、自分にも技術力がつくにつれて、教えてもらう内容や技術に満足できなくなってしまっていた部分もあって、先生を困らせてしまっていたことも正直ありました。

今思えば、ネイルが大好きで「早く上達したい!」という思いが強く出てしまっていたなというのはありますが、在学期間の後半は、「もっと高いレベルを学びたい!」という思いをぶつけるように資格取得のための勉強に打ち込み、自宅でもたくさん練習を重ねました。

資格取得のための苦労

また、当時は大学の勉強と両立してスクールに通い、スクール代を払うために昼間の空いている時間や夜中はアルバイトをしていたため、体力的にもかなりきつかったですね。19歳くらいですから、「遊びたい!」という気持ちに勝てない時もありました…。

ただ、1日のうちに少しだけでも練習は必ずするようにしていたんです。例えば「お花のアート1個」「長さ出しの練習1本」というように。いくら遊びたいという気持ちがあっても、この時間というのは苦ではなく、とても楽しい時間だったなと今でも思います。また、結果として資格取得が実現したことは大きな自信にもなりました。

大学在学中サロンオーナーになるまで

大学時代(スクール在学中)には2つのサロンでのアルバイトを経験しました。
スクールに通い始めてから、「いつかは自分のサロンを持ちたい!」という思いは持っていたのですが、実際に自分のサロンを持つ決意をしたのは2つ目のサロンを退職した時です。

そのサロンは都内にあり、毎月かなりの広告費をかけて、新規のお客様を常に呼び込んでおり、リピーターさんは少なかったなという印象がありました。

サロンオーナーとなった今では、店舗経営には様々な形があることも、当時のサロンの方針も理解できるのですが、アルバイト時代には理解が難しく、社長と話し合いを行なった結果、そのサロンを退職する形になったんです。

ここから、「もっとお客様のことを考えて喜んでもらえる、みんなが好きになってくれるサロンを作りたい、私なら作れる!」と自分のサロンを開くために行動を始めました。決心してからは行動を始めるのはとても早かったんです。

退社後、3〜4ヶ月ほどでテナントを契約したときは大学4年生でしたが、2009年1月7日(大学4年生の卒業前)に1店舗目SCURENAIL(エス・キュアネイル)を立ち上げ路面店で一人、ネイルサロンを始めました。

ネイルスクール開講へ

エス・キュアネイルをオープンさせて1年後には、スタッフを4人ほど雇い、3年後の2012年にネイルスクールを開講しました。当初は認定校ではありませんでしたが、過去の経験から、きちんとした技術を教えられる人になりたい、という思いがあり「スクールを開くなら認定校にしたい」と考えていました。

そして、せっかく通ってもらうのだから生徒さんには満足してもらいたい!ということで自分自身、本部認定講師の資格をとり、認定校にするために動き始めたんです。ただ、実はこの時が、出産の時期と重なっていたため、今までになく大変な毎日でした。

サロンとスクールの同時経営

2012年冬には念願の認定校(エスキュアネイルスクール)になり、生徒さんも増えたことで、翌年には、スクール卒業生の実務経験の場として、スチューデントサロンS・CHARM(エスチャーム)もオープンさせました。

さらにその流れで、スチューデントサロンで経験を積んだネイリストさんたちの働き先を用意してあげたいと思い、2014年11月7日に、ネイルサロン エス・ミントをオープンしたのです。

ネイルサロン3店舗、スクール1校をオープンすることができていたのですが、3店舗目をオープンしてから1年ほどたった頃、「お客様に満足してもらえるネイルサロンを作りたい!」という自分の考えに、現状が追いついていない、ということに気づきました。

それから、様々な思いはありましたが、最終的にネイルサロン エス・ミントだけを残し、サロン2店舗とスクールを閉める決意をしたのです。ただ、お客様が入っていなかった、生徒さんがいなかった、という訳ではなかったので、閉める決断をするまで毎日悩みました。

1店舗に絞り勢力を注ぐ

本当にこの期間は今まで一番苦しかったなと今でも思いますが、エス・ミント1店舗だけに絞ったことにより、現在は、自分の目がしっかり行き届く環境を整えることができました。

そして、技術、デザイン、サービスなど全ての内容が充実したサロンにするため、信頼できるスタッフと共に、常に力を注いでいます。独立してから約8年、毎年新しいことを起こして突き進んできましたが、今は原点回帰し、今後の目標に向かいコツコツ進んでいます。

私は特に天才でもなく、お金持ちでもなく、普通の人間です。でも、念願であった自分のサロンを持つという夢を叶えることができました。現在に至るまで、様々な経験をして思うことは、広く浅く手をつけるのではなく、一つのことを、目標をもって極めていくほうが将来的に成功出来るのではないかということです。

サロンオーナーとして独立後の苦労について

サロンを立ち上げること、オープンさせることは、それほど難しくなく、形にしたい!と行動すれば、誰にでも出来ると思います。
難しいのは、その後、立ち上げたサロンをどう経営していくかです。何年も完璧な形で、サービス提供やスタッフ教育、店舗経営など継続していくことは本当に大変なことなのです。

少しでも手を抜いてしまえば、お客様に伝わり、来店していただけなくなってしまう。売り上げが無ければ、お店を続けるのは難しいのですが、だからと言って割引すれば良いという訳でもありません。

サロン経営で大切なこと

そして一番考えなくてはならないのは一緒に仕事をしてくれているスタッフたちのことです。いくら自分一人で頑張ってもスタッフが気持ちよく働いてくれなければ、接客にも影響がでてしまい、お客様は去ってしまいます。スタッフがやりがいの持てる環境、サロンにするのはとても重要なことなんです。

私自身もネイリストとして働き、仕事の大変さ、ゆっくりお昼も食べられない忙しさを経験しています。新人時代には、お客様から厳しい言葉をいただくことも多々ありました。

時間通りに施術ができず次のお客様をまたせてしまい、クレームになってしまったことや、施術を満足してもらえず、技術に自信が持てなくなったことも。そんな時、ネイリストという仕事の大変さに滅入っていたこともありました。

ただ、私は、甘やかされるより、厳しく指導してもらいながら成長したい、毎日だらだら過ごすより、接客で忙しく充実した時間を過ごしたい、と思うタイプなのです。そして、頑張った分だけお給料をもらって、プライベートも充実させたい!とも。

私のサロンは常にそういうサロンでありたいのです。エス・ミントでのお仕事は、毎日お昼を食べるのもやっとなほど忙しくはありますが、スタッフ全員が一生懸命に働いてくれており、毎日が「楽しい」と言ってくれています。オーナーとして私ができることは、スタッフたちのためにこの環境を継続することなのです。

そのためには、お客様にご来店いただけるような、魅力のあるネイルデザインや、メニュー作りなどを常に考え、日々新しい物を生み出せる努力をしています。

成功するネイリストとは

ネイリストとして成功するには、「ネイルが大好きなこと」これが第一です。大好きだからこそ、向上心を持って練習しますし、努力できるんです。

成功までの道のりとして、誰かを目標とするのも良いですし、自分自身の理想を目標にするのも良いと思います。そして、練習や努力を重ね継続することで目標を叶える、成功までの強い力になるんです。簡単に成功できる人はなかなかいません。

何店舗かサロンを経営していた時は、周囲から「親がお金持ちだから簡単にお店が持てる」なんて噂されたこともありますが、実際は全く異なります。地道に学生時代からアルバイトをして、貯金をしていました。私の人生はどん底だらけだ・・・なんて思うことのほうが多かったんです。

でも今のエス・ミントがあるのは22歳から努力し続けてきたからだと思っていますし、成功して見える人たちというのは、今までたくさんの努力を重ねてきているのだろうなと思うんです。ただ、私自身は、まだ自分が成功しているとは思っていません。これから先に目指している目標があるからです。今はその目標に向かって努力をしている途中なんです。

これからネイリストを目指す方々へ

ネイリストは、とても大変な仕事ではありますが、私が経験してきたどんな仕事よりもやりがいを持てる仕事だと思います。「ネイル業界は華やかで、稼ぐのも簡単そう」と思われることもありますが、それは表面上だけです。

実際に活躍しているネイリストさんたちは本当に努力をしてきたからこそ、働いている姿も輝いて見えるのです。
これからネイリストを目指す方たちも、ネイルが大好きな気持ちを常にもち、お客様を大切に思う気持ちを忘れずに、コツコツ努力することができれば、「ネイリストになってよかった!」と思える日が来るはずです。

技術職なので、楽しいと思えるまでには時間がかかると思いますが、是非目指してもらいたいと思います!

エス・ミントについて

ネイルブックでもランキング上位デザインばかりの人気サロンです。 有名雑誌からのオファーも多数あり、ハイセンスなデザインも満載です。
上品シンプル系からトレンドまでお任せ下さい。人気のコースは、本数別やり放題のコースです。手書きアートもやり放題&オフ込価格でご案内しております。

エス・ミントでは、お客様目線で考えられたリーズナブルで嬉しいメニューをたくさんご用意しておりますし、ネイルが初めての方でも不安にならないように、料金説明、カウンセリングもしっかりと行います。

店内ではくつろいで過ごしていただけるように、ドリンクサービスもございます。白を基調とした明るく清潔感のある雰囲気で統一されたサロンです。Myサロンをお探し中の方は是非一度いらしてみてくださいね。

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