日々、爪の上に細かなデザインを描くネイリストさんにとって、目の疲れは解消したいお悩みの一つではないでしょうか。
1日に何人もの施術を行っていると、夕方になる頃には、目が霞んでしまうということもありますよね。
また、仕事以外でも、つい遅くまでスマホやテレビを見てしまうなど、現代人は目を休める時間があまりないため、意識的にアイケアをする必要があります。
そこで今回は、目の疲れや汚れを取り除く「ネトラバスティ」という方法をご紹介します。
ネトラバスティとは
アーユルヴェーダのひとつ「ネトラバスティ」
ネトラバスティとは、眼球にオイルを流しこみ、汚れを取りき、目に潤いを与える方法のことで、「眼球エステ」や「瞳の温泉」とも言われています。
目にオイル?と驚かれるかもしれませんが、この方法はアーユルヴェーダの一種で古くから行われている施術方法なのです。
ではアーユルヴェーダとは?これは古代インドで発祥した、心と体の調和を大切にした伝統的な予防医学のこと。
病気になってしまった体を治すという考え方ではなく、食や普段の生活から病気にならない体を作るという考えを主にした医学で、WHO(世界保健機関)にも認定されています。
ネトラバスティの施術方法
ネトラバスティはアーユルヴェーダを行うエステやサロンで施術を受けることができます。
まず、カウンセリングを受け、それから横になり、目の周りをマッサージでほぐしていきます。小麦粉を練って粘土状にしたもので、目の周りを8の字型に囲む土手を作ります。
これはオイルが流れてしまわないようにするためのもの。隙間なくしっかりとできたら、温めたオイルを流し込んでいきます。
このオイルはバターから不純な物質を取り除いた「ギー」と呼ばれるものです。
目がオイルに浸っている中、ゆっくりと目を開けてまばたきをしたり、眼球を上下、左右に動かしていると汚れが浮いてきてオイルが濁りはじめます。
汚れたオイルを拭き取り、再びオイルを注ぐ作業を計3回行います。暖かいオイルは緊張状態になった目の筋肉をほぐし、癒してくれるのでとても気持ちがよく、つい眠ってしまいそうになる人もいるようです。
最後に、残ったオイルを拭き取り、仕上げに頭部をマッサージして終了。施術の時間は20~30分程度です。
なぜアイケアにオイルを使うのか
眼球を洗うのなら、ドラッグストアでも洗浄グッズが販売されています。しかしそれらに使用されているのはオイルではありません。
ネトラバスティはなぜオイルなのか。
その秘密は涙の成分にあります。涙=水分というイメージがありますが、実は水分のほかに油分も含まれているのです。
目は水分を油膜で覆うことで潤いを保っているのですが、メイクや、埃によってこの油分を分泌する部位が塞がれてしまうと、油分不足となり、目の潤いを保つ水分が蒸発してしまいます。これがドライアイなど目のトラブルにつながるのです。
ネトラバスティではこれらの汚れを除去しながら、不足しがちな油分を補うことができます。使用するオイル「ギー」はインドでは古くから、傷を治す薬としても使われているものなので、目に使用しても刺激がなく安心なのです。
癒し効果以外にもある!ネトラバスティの効果とは
効果その1:汚れを取り除く
目は酷使しているにも関わらず、セルフケアがしにくい部位。ネトラバスティでは眼球の裏側に入り込んだ汚れまで浮かせて取り除くことができるそうです。
目に入ったままのゴミやまつ毛、時には、メイクのマスカラ汚れやラメなども浮いてくるそうですよ。
オイルが濁るほど蓄積された汚れを取り除けるのでスッキリしますし、汚れによって塞がれていた部分が洗浄されることで目の本来のはたらきを取り戻すことができます。
効果その2:ドライアイや疲れ目などの改善
ネトラバスティにはドライアイの改善以外にも、様々な効果があると言われています。
オイルを浸して眼球を温めることで、目が温泉に浸かっているようなリラックス状態になり、疲れ目の改善も期待できるようです。
また、眼球を直接ケアすることで、黄ばんだようになってしまった白目もくっきりと白くなり、瞳がキレイに見える効果も。
効果その3:目まわりのケアも
眼球をキレイにしてくれる効果はわかりましたが、ネトラバスティは目まわりのシワやくすみ、クマなどにも効果を発揮してくれます。
眼球と一緒に目まわりもオイルに浸され温められること、また事前のマッサージ効果なども加わり、疲れた雰囲気の目元がふっくらして若々しくなるのです。これは嬉しいですよね。
ネトラバスティを受ける際の注意点
きちんとした知識のあるところへ
ネトラバスティの方法自体はそれほど難しい技術が必要なものではありません。ですから「ギー」というオイルが手に入り、温度管理を徹底すれば誰でもできるという面があります。
しかしいくら簡単とはいえ、それほど知識も持たずに施術を行うのは恐ろしいもの。
アーユルヴェーダの知識をきちんと持っている、不安なことにはきちんと答えてくれるようなところを選ぶようにしましょう。
目に疾患がある時は要注意
目に何らかの疾患がある時には、まず眼科へ行きしっかり治療してからにしましょう。傷があったりすると、オイルがしみて痛いこともあるようです。
それから、レーシック手術をしてまもない人も、状態によってはネトラバスティを受けられないことがあるので、まずは医師に相談して診察を受けてから施術を受けるようにしてください。
施術後は目を休ませよう
ネトラバスティを行った後は、涙の分泌が良くなるなどの効果があらわれます。
スマホのブルーライトや強い光はせっかくケアされた目に刺激を与えることになってしまうので、この日だけは目を酷使する作業はやめて、ゆっくりと休ませてあげましょう。
部屋の中も暗めにして、早めに寝てしまうのもいいですね。
まとめ
驚きの施術方法である「ネトラバスティ」。少々抵抗はありますが詳しい方法を知ると、とても気持ち良さそうで一度は体験してみたくなりますよね。
特に目を酷使している自覚がある人は惹かれるものがあるのではないでしょうか。スキンケアやボディケアのように、時にはアイケアも取り入れてキレイな瞳を作っていきましょう。