お客様の本質を理解する?ネイルサロンでのクレーム対処方法とは

「クレーム」と聞くと、なんだか胸がザワザワしてしまいますよね。サロンワークをしていると、避けて通れないのがお客様からのクレームです。

食べ物や洋服と違って、ネイルサービスは完成品を売っているわけではありません。形のないものを一人ひとりに異なった形で提供するので、「期待していたものと違う」というミスマッチが起こりやすいのです。

クレームは起きて当たり前のこと、むしろその後を適切に対応する力が求められます。

ただ謝るだけ、返金をするだけ、という接客になっていませんか?
ここではネイルサロンでのクレーム対処方法についてご紹介します!

クレーム対処方法について勉強していますか?

ほとんどのビジネスではクレーム対処方法について専門的に学ぶことが常識の時代です。本屋さんのビジネス書コーナーに行くと、沢山の書籍が並んでいることから、それだけ必要とされているのです。

しかし、ネイリストの中できちんとクレーム対策について専門的に学んでいる方は少ないのではないでしょうか。

ネイルスクールは技術を教えることがメインで、クレーム処理方法は教えてくれないことがほとんどです。ネイルサロンでも、よほど大手で接遇研修システムがきちんとしている起業でないと、「返金しておしまい」ということも多いです。

これではサロン側が一向に改善されず同じことを繰り返し接客スキルが上がらず、結果としてサロンのお客様離れを招いてしまうおそれがあります。

そもそも「クレーム」とは?

「クレーマー」などの単語から、ついネガティブなイメージを連想してしまいがちですが、本来の意味を理解する必要があります。

もともとは改善要求や苦情などの意味を示す英語「claim」からきています。ネイルサロンでいうクレームとは、施術後にお客様から、仕上がりについての何らかの不満やご意見をいただくことを指します。

お客様のクレームの「本質」は何か?

つい、サロンにクレームの連絡が入ると

「何かこちらの落ち度につけこみ、無理難題を要求してくるのではないか」
「謝ったら負け」

このように考えてしまうネイリストは多いのではないでしょうか?

しかしそれは間違いです。
お客様全員がクレーマーということはありません。お客様はただ「こうしてほしい」という気持ちを伝えているだけなのです。
それを我々ネイリスト側が過剰反応してしまうことでお客様の気分を害し、トラブルが大きくなってしまう事もあります。

ただ連絡をしただけなのか、謝罪をしてほしいだけなのか、1本だけお直しをして欲しいだけなのか、全部をやり直して欲しいのか、返金をしてほしいのか、担当者に直接詫びを入れてほしいのか・・。

まずは、お客様の言うことを良く聞き、求めている本当のご要望=本質がなんであるのかをネイリストが理解することが大切です。

よくあるクレームとその原因

ネイルサロンでよく起こるクレームと、その原因・対処方法をご紹介しましょう。

ジェルがはがれた

プレパレーション不足やはみだしなどの技術不足が原因の場合はこちらに非があります。しかし、お客様の爪の質やダメージ状態、日常の扱い方が原因の場合もあります。

施術前に、どんなに持ちが良いといわれているものでも個人の体質によって差が生じることをきちんとご説明しましょう。

「お客様の爪は今先端が非常に薄いので当店のジェルですと数日後に先端がはがれてくる可能性があります」のように、予想できることは先に伝えておくとお客様も剥がれたときに「そういえばネイリストさんがそう言ってたな」と納得してくれます。

また、1週間以内ならお直しを無料にするなどの保証期限を設け、それ以降は有料、というようにお直し時の料金システムを明確にしておきましょう。

ダブルブッキング、オーバーブッキング

サロン側が間違えて同じ時間枠に予約を入れてしまった、お客様が日にちを間違えて来店してしまった、予定よりも時間がかかり次のご予約のお客様をお待たせしてしまった‥等々、これらの予約時間についてのクレームも多いです。

ダブルブッキング防止としては、サロン側が間違えないような仕組みを作る必要があります。電話で受けた予約を紙ベースの予約表に記入は今の時代ではかなり非効率です。

今は無料で使用できるWEB予約システムもたくさんあります。空いている時間枠のみが表示されるようになるのでダブルブッキングを防げますし、お客様に自動予約確認メール配信機能などもついているのでお客様の来店間違いを防ぐことができます。

施術時間が大幅に長引いてしまう点ですが、まずは技術力の向上が第一ですが、来店時に施術内容を確認する際、長引きそうなメニューを希望された場合は次の方の予約にかぶってしまう恐れがある旨を最初にお伝えし、その中でできる施術をするようご提案しましょう。

料金が違う

クーポンのコースをやったと思っていたのに、実際は割高になってしまった、というケースです。これはネイリストの説明不足や、説明はしたけれどお客様が理解していなかったということが原因です。

予防策としては施術前に内容と金額を明確に提示します。オプションメニューを提案する際は単価と合計金額の両方を、お客様に電卓などでわかりやすくお見せします。ご納得いただいたうえで施術を進めるようにしましょう。

返金は最終手段!!

ここまで、よく起こるクレームと対処方法についてご紹介してきました。
きちんと「説明」「了承」を行って入ればほとんどのクレームは防ぐことができます。

それでもご納得いただけない場合、施術金額の返金をする、という対処方法を取っているのが多いですが、返金は最終手段にしてください!

一度返金をしてしまうと、同じことが繰り返し行われる可能性があります。せっかく時間をかけたのにその分の対価を得ることが出来ずネイリスト側も気分が良いものではなく疲弊してしまいます。

まずはお客様の言い分を聞き本質がなんであるかを理解し、お直しで納得していただけたらそれで結果オーライです。
それでだめなら担当者を変えたり、施術方法を変えたり、代替案を出してみます。

一般的なお客様ならここまで対応し誠意を見せているサロンなら、たとえ持ちが悪かったとしても返金を要求することは少ないです。

しかし中には冒頭でお伝えしたように、最初から返金目的で施術をしにくる方も少数ですがいらっしゃいます。
「お客様の皮膚を傷つけた」「お客様に明確に説明できる不利益を被った」以外での理由の返金は可能な限り避けましょう。

サロンは時間をかけてその対価として施術料金を頂いています。安易に返金対応をするということは、技術を安売りしていることになりサロンにとって大きなダメージであるということを理解しましょう。

返金対応を防ぐためには?

新規ご来店時に、カルテや施術同意書などにご記入いただくさい、施術後の返金は行っていない旨を明確にご説明し、同意書にご署名をいただきます。たったこれだけで、返金のリスクを防ぐことができます。

それでも無理難題を何度もいってくるお客様は、もはやあなたのサロンのお客様ではありません。そんな方に時間を費やされては、せっかくの他の良質なお客様を逃してしまいます。

「当店の技術はお客様には合わないようですのでこれっきりにしてください」という手切れ金の意味で、最終手段として返金対応をし、今後その方の予約をとらないようにすることをおススメします。

まとめ

・形のないサービスだからクレームは起きて当たり前、過剰反応しない。
・クレームを通じてお客様の本当のご要望がなんなのかを理解する。
・予防のためには、「説明」「ご了承」はワンセットで行う!!
・返金は最終手段。返金を求める客はあなたの客ではない。

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