知っておきたい!誰もがいつでも妊娠できるわけじゃないこと 『妊活アドバイザー直伝:ネイリストさんに知ってほしい大人の保健室㉘ 月経の基本的な話』

今まで生理痛や卵巣年齢について、原発性の無排卵についてのお話をしてきましたが、基本的な月経の仕組みについてのお話をしていませんでした。

これまでにお話しした内容と少し重複する部分もあるかもしれませんが、改めて女性の身体の仕組みについて基本的な部分からお話しさせて頂きたいと思います。

学校等で身体について習うのはほんの数時間です。でも、身体について基本的なことがわからないと、それが大丈夫なのかそうでないのかを見極めることが難しくなります。

自分の健康を、将来の妊娠の為にも、自分で守れる、そんな女性になってほしいと思います。

月経とは…

月経とは「約1ヶ月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的な出血の事」をさします。

月経周期の正常範囲は25日~38日であり、月経持続日数は3日~7日になります。月経周期は、お月様の満ち欠けと同じで平均28日周期とも言われますが、必ずしも全員が28日周期なわけではありません。

25日~38日周期に収まっていれば、特に問題ないとされています。この日数を外れる周期が何カ月も続くのであれば、一度産婦人科に受診することをお勧めしています。

また、たまに周期から外れるのであれば、日常生活でのストレスや睡眠時間、疲労度などをまずは見直してみてくださいね。女性の身体はとっても繊細です。

ちょっとしたストレスや睡眠不足でも、月経周期の乱れにつながる人もいます。また、これらには個人差がある為、他人と比較するのではなく、自分の中でどうなのかを確認してみると良いのではないでしょうか?

ちなみに月経周期が短い場合(25日以下)は頻発月経と呼ばれ、主な原因としては無排卵周期の可能性や黄体機能不全があげられています。

また、逆に月経周期が長い場合は(39日以上)は希発月経と言われ、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)や無排卵周期が原因とも言われています。いずれの場合も子どもが欲しいと思った時に、不妊の原因となる症状です。

いつか妊娠をしたいと考えているのではあれば、月経周期の乱れは放置せずに、一度産婦人科の受診が必要だと思います。

※参照:(株)メディカルビュー社 「データから考える不妊症・不育症治療」

月経周期における身体の中での変化

女性の月経周期は大きくわけて4つにわけることが出来ます。月経が起きている「月経期」、「月経終了から排卵までの期間」(低温相 卵胞期 増殖期などと呼ばれます。)

そして排卵をする「排卵期」、「排卵から月経までの期間」(高温相 黄体期 分泌期)にわかれます。また、期間に応じて分泌されるホルモンの量も変わってきます。

月経終了後から排卵までの間は、子宮内膜の変化では増殖期と呼ばれ、エストロゲンと言うホルモンの作用で子宮内膜が厚くなっていきます。

この時期に十分に子宮内膜が育たないと、その後、うまく受精卵が子宮内に着床出来ない要因となってしまいます。

また排卵期以降はプロゲステロンというホルモンが分泌されます。プロゲステロンは排卵後の黄体から放出されるホルモンであり、排卵が起こらないとこのホルモンは分泌されません。

このホルモンは子宮内膜の状態を着床しやすいように整えていく作用があります。排卵後約6日~10日目が着床期と呼ばれ、この期間に着床しなければプロゲステロンが低下して、子宮内膜が剥がれ落ち月経が起きます。

私達の身体の中では妊娠が成立しない限り、毎月このような過程が繰り返し行われているのです。

まとめ

多くの女性は12歳から14歳で月経を迎え、毎月当たり前のように来る、月経に関して、どちらかというと生理痛や不快など、マイナスなイメージしか持っていません。

しかし、この当たり前のような月経の仕組みが毎月規則正しく起きるからこそ、私たちは妊娠することが可能になります。

面倒だなと思う時もあるかもしれない月経ですが、新しい命を産みだしたいと思った時に備えて常に準備を続けているんだと思うと、少し愛おしく感じるのではないでしょうか?

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