毎月10万円がもらえるの?職業訓練校でネイルを学ぶとは

ネイルの仕事に憧れて、ネイルスクールの資料を取り寄せると、その費用にびっくりしますよね。「えっ!1級まで取得するコースってこんなにするの?」

「100万円なんてお金、払えないよ~」現実問題としてスクールに通うお金の問題に直面すると、ネイリストになる夢をあきらめてしまいそうです。

なるべく費用をかけないでネイルを学びたいという方に朗報です!実は、「職業訓練校のネイルスクール」というものが存在するってご存知でしたか?

「お金がかからないって大丈夫なの?」「どうやって申し込むの?」職業訓練校のネイルスクールについて、現役ネイルスクール講師が徹底解説します!

職業訓練校のネイルスクールって一体どんなもの?

厚生労働省の政策の一つに「求職者支援制度」というものがあります。
これは、

・雇用保険を受給できない求職者に対し
・無料の職業訓練(求職者支援訓練)を実施
・一定の支給要件を満たす場合は受講を容易にするための給付金を支給
・ハローワークが就職支援をし、安定した「就職」を実現する

という制度です。
※出典:厚生労働省 求職者支援制度

この制度を利用して通うネイルスクールを、一般的に「職業訓練校のネイルスクール」と言われることが多いです。
次項では、求職者支援制度について分かりやすく説明します。

求職者支援制度って?

前項でご紹介した「求職者支援制度」は誰でも利用できるものではありません。この制度を使ってネイルを学ぶためには以下の条件を満たしている必要があります。

・今現在、求職中で失業手当の給付に条件が満たなかった、もしくは給付期間が終わった人。
→現在すでに働いている人は対象外になります。

・職業訓練に参加できる人
→どこのネイルスクールでも行っているわけではなく、決められたスクールで指定された日時に受講でなければいけません。スクールの探し方はのちほどご説明します。

・一定の条件を満たしている人
→全員がタダで受講できるというわけでなく、受講料=給付金が支給されるには以下のような本人や世帯の収入、総資産などの条件があります。働いているご両親と持ち家に同居、などのケースは対象外になることが多いでしょう。

支給要件

1.本人収入が月8万円以下(※1)

2.世帯全体の収入が月25万円以下(※1、2)

3.世帯全体の金融資産が300万円以下(※2)

4.現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない

5.全ての訓練実施日に出席している(※3)
(やむを得ない理由がある場合でも、支給単位期間ごとに8割以上(※4)の出席率がある)

6.世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない(※2)

7.過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない


※出典:厚生労働省 職業訓練受講給付金(求職者支援制度)

どれくらいのお金が給付されるの?

「受講料がタダになる」というよりは、職業訓練校で学んでいる間の生活を支援するための給付を受けとる、という考え方になります。

その金額と内訳は以下の通りです。

・職業訓練受講手当:月額10万円
・通所手当:職業訓練実施機関までの通所経路に応じた所定の額(上限額あり)
・寄宿手当:月額10,700円 (必要と認めた場合のみ)

そもそもが就職支援のための制度なので、タダでもらえるボーナスのようなものではなく、「学んでいる間の生活保障のためのお金」になります。そのために厳しい収入条件があるのですね。

受けるにはどうすればいいの?

ここまでご説明した「求職者支援制度」を活用して「職業訓練給付金」を受給しながら職業訓練校のネイルスクールに通うためにはどうしたら良いのでしょうか?

①お近くのハローワークへ

ハローワークで求職申込みを行い、求職者支援制度の説明を受けます。 その後ネイルスクールの職業訓練を行っている学校を選び、申込書などの必要書類を受け取ってください。

※職業訓練校は多数ありますが、ネイルスクールになると全国ではかなり数が限られます。また募集時期も通年募集ではなく時期が決まっています。

②受講申込みの手続き&給付金の審査申請

指定書類を用意したら申込と給付金の申請を行います。この際ハローワークから受付印を押印した受講申込書をもらえるので、受講予定のネイルスクールに提出します。

③選考(面接・筆記等)を受ける

面接と筆記試験を受けます。

試験ですから当然落ちることもあります。これは世帯収入などから鑑みた「支援の緊急必要度」によるもののようです。実家に同居の独身者よりは、シングルマザーなどのようが緊急度が高いということになります。

④合格通知がとどく

合格通知が届いたら、訓練開始日前日までにハローワークに行き、就職支援計画を受け、受講開始です。

⑤受講中

月に1回、指定された日にハローワークで職業相談を受けます。給付金の支給申請もこの日に行われます。

指定された授業日や職業相談日は基本的に欠席が許されません。休んだりした場合は給付金が取り消されたり、給付金の返還を請求される場合があります。

詳細は厚生労働省のホームページにも掲載されていますので、是非チェックしてみて下さいね。

以上が、求職者支援制度のおおまかな説明でした。次項では、実際に職業訓練校で学んだ人の就職状況についてご説明しましょう。

どの内容まで学べるの?

職業訓練校ではどの程度まで技術を身に着けられるか気になりますよね。ほとんどが、ネイル検定3級~良くて2級、ジェル検定初級レベルのカリキュラムであることが多いです。

職業訓練校は3か月程度の短期講座のため、学べる内容が限られています。また、就業支援のための施設なので、サロン就職を最優先でカリキュラムが組まれています。

サロン求人の最低条件に多い「初級」「3級」取得をメインに授業が進むのでアートやスカルプチュアはやらないところがほとんどになります。

ですので、2級や1級、スカルプチュアなどより高度な技術を学びたい方は別途スクールに通う必要があります。

本当に就職できるの?

サロンの求人を見ると「検定2級以上」と記されていることが多いので、3級や初級内容を習っただけだと、本当にサロンに就職できるの?と不安になりますよね。

そこはご安心ください。受講しながらハローワークで就職相談をするので、ハローワークに求人票が出ているサロンなら就職する機会は沢山あります。

しかし、ハローワークに求人票を出していないようなサロンや、給与待遇などご自身の希望条件が高い場合はその限りではありません。

まとめ

私自身は職業訓練校の講師ではありません。しかし、ネイルスクールで指導していると半年に1人くらいの割合で職業訓練校で3級まで取得したという生徒さんが入学(編入)してきます。

目的としては2級や1級を取得してより良い条件で就職したいからだそうです。

せっかくの国が用意している制度なので、ご自身が対象者なら有効活用したいですよね。職業訓練を利用してネイルを学びたい!でも最終的にはネイリストとしてキャリアアップしたい!という方に、以下のプランをおすすめします。

・短期集中で3級・初級までを取得。
・ハローワークの紹介でとりあえずサロン就職。
・お金に余裕ができたら2級以上を学べるスクールを追加受講。

ネイリストとして活躍できるよう、応援しています!!

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