「現役ネイリストが教えるネイリストへの道のり」第6回目になります!
今回は、美容師として6年間働いたのちネイリストへと転職された紫都(シズ)さんに、体験談をお話しいただきました。
転職当初は、「高校卒業後すぐにネイリストを目指した方たちと比べると、技術や経験値に差ができてしまうのでは…」といった不安もあったようです。
しかし、紫都さんは不安を乗り越え、自分の兼ねてからの夢であったプライベートサロンを開くまでに至っています。もちろんその間には何度も壁にぶつかったということですが、「美容師として働いた6年間は無駄ではなく、ネイリストになるためには必要な時間だった」ともおっしゃっています。
これからネイリストを目指す方や、ネイリストへ転職を考えている方は特に勇気をもらえる内容となっていますので是非読んでみてください。
目次
ネイリストになるまでの経緯
私は、幼い頃から手先を使う細かい作業が好きで、今思えば学校の授業でも図画工作、美術の時間が一番楽しかったですね。
高校生時代にはポリッシュでのセルフネイルアートに夢中になり、友人にネイルチップの製作を頼まれると、喜んで作っていたのを覚えています。
本当はその頃、ネイリストを意識するようになったのですが、当時はジェルネイルがまだ普及してなかった事もあり、もっと幅広く美容に携わりたいと思い美容師を目指すため専門学校に入学しました。
専門学校卒業後は美容師に
卒業後は地元仙台にて美容師として、6年間勤務しました。
どのサロンも新人時代はそうかと思いますが、当時は1人前のスタイリストになるため必死に練習しましたね。
仕事はハードな上に営業後に練習、コンテストや撮影の仕込み、講習会…と日々忙しく、めげそうになった事も何度かありましたが、先輩にも練習環境にも恵まれ、スタイリストデビューしてからは、やり甲斐を感じとても楽しかったです。
今思えば美容師として働いたこの6年間は、その後私が美容業界で働いていくために必要な多くの事を学んだ時間でもあったのです。
たとえば、お客様の満足度を上げる為の勉強や技術練習、サロンでは気持ちよく過ごしてもらえるようにと日々考えていた経験などは、ネイリストとして働く今の私の基盤にもなっています。
ネイルの勉強について
ただ一方で、ネイルについても、あきらめきれない想いがあり、勉強は続けていました。
前述したように、私はネイル専門のスクールではなく、美容師免許を取る為の美容専門学校を卒業しています。
専門学校時代は、いつかネイリストになるかもしれないという思いもあり、選択授業にてネイルの勉強をして検定2級までを習得しました。
ただ、母校では選択授業ということで、ネイルに関する授業の数が少なく2級の合格率はあまり高くはなかったのです。筆記は覚えれば良いので問題無いのですが、実技に関しては授業だけでは合格できるまでの技術力を身につけるのは難しかったため、母や友人にハンドモデルを何度もお願いし、とにかく自主練習をたくさん行いました。
試験本番になると手が震えて、失敗してしまうことがあるというのも聞いていたので自分でコツを掴むまで何度も練習を重ねましたね。受けるなら絶対に受かりたいという強い思いと若かったというのもあり、泣きながら練習したのを覚えています。
ジェルネイルはスクールで学ぶ
ジェルネイルの勉強は専門学校では授業がなかったため、美容師をやりながら休日に短期のネイルスクールへ通いました。スクールではジェルネイル検定の初級を習得しています。美容師をやりながらでもネイルスクールへ通ったのは、転職する際にはすでにジェルネイルの基礎も身につけておきたいと思っていたからです。
ネイリストへ転職
そんな生活を送っていたのですが、結婚に伴い仙台から上京することになり美容師を退職しました。
それまでは勉強をしつつ、趣味として楽しんでいたネイルですが、もともとネイリストという職業には想いがあったので、上京を機に思い切ってネイリストへ転職することにしたのです。
地道に勉強は続けていたとはいえ、ネイリストとしては一からスタート。当初は、銀座のネイルサロンにて、ネイル技術を習得しながら働いていました。
そのサロンでは指名制度を推奨してはいなかったのですが、私の提案するデザインや技術を気にいってくださり、指名していただくことが増えてきたんです。
様々な経験を積み、今年5月、自宅にて念願のプライベートサロンをOPENいたしました。
自宅サロン開業について
自宅でネイルサロンを開きたいという漠然とした夢は、実はネイリストへ転職する前から持っていたのですが、本格的にプライベートサロンを目指すきっかけとなったのは、私自身がしているネイルと同じものをやってみたいと言ってくださるお客様がたくさんいたことです。
さらにプライベートサロンの夢をお客様にお話した時には「遠くても付いていきたい」と言ってくださり、その言葉に背中を押され独立に踏み切ることにしました。
独立に向けて
独立前に苦労したと思う事は、特にないんです。もちろん独立前は準備する事は山のようにあり、オープンのギリギリ前までサロンで働いていたので、とにかく忙しかったのですが、苦労したというよりは夢が叶うと思うと本当に嬉しくてワクワクしながら準備していました。
唯一心配だったことは独立時、当時の職場だった銀座から立川にうつったこと。土地柄もまったく違う場所で、また一からのスタートとなると、集客は大変だろうなと思っていたことですが、大変ありがたい事に来て下さるお客様がたくさんいらっしゃったのです。
最近ではInstagramからのお問い合わせやご予約を頂くようになり、少しずつですが順調にお客様が増えています。今後も、1人1人大切に施術をしていきたいと思っています。
前職の経験を活かして
私は、ネイルはファッションの中の一部という意識を大切にしています。
いくらネイルだけ可愛くても、お客様のお洋服の雰囲気やなりたいイメージ、ライフスタイルにマッチしていなければ、可愛さは半減してしまいますから、美容師と一緒で、ここは似合わせの部分になるのではないかと思います。
希望のまま施術するのではなく、お客様に合わせたカラー提案やアレンジを大切にし、トレンドを取り入れても品が良く、手元が綺麗に見えるというのは外さないというこだわりがあります。もちろん派手なデザインだって、似合っていればとっても可愛いのです。
そんなネイルを提供する為に、デザインは自分が作ったものをやりたいし、1人1人にちゃんと集中して施術ができるような環境にしたいと思ったことも、自宅サロンのオープンに踏み切った理由のひとつですね。
独立前後では働き方に変化が
サロンで働いていた時と、独立してから現在では働き方は大きく変わりました。サロン勤務では多くの事を学ばせてもらいましたし、当時の経験が無ければ今の私はありませんので、とても感謝しています。
ただ、当時は、休憩なく4名通しで施術することもあり、個人差はあると思いますが、正直ネイルの施術に集中し続けることが難しく、次の予約時間を気にしてお客様を急かせてしまうこともあったのです。さらに、疲れてしまうと本気で提案ができていないのではないかと思うこともありました。
比べて、現在ではお客様1人あたりの時間枠は余裕を持ってお取りしていますので、毎回本気で提案し、集中して施術を行うことができています。
空いた時間にはサンプルチップを作ったり練習をしたり、宣伝を兼ねてインスタグラムにネイル画像を投稿したりといった作業や、ネイルの画像をひたすら見て勉強することもあります。
その他ネイルのこと以外にも、家事が出来る時間も増え、毎日を自由に有意義に過ごせています。
もちろん、独立後は良いことばかりというわけではなく、すべてを1人で行うので、やるべき事や考えなければならない事が増え、責任感は雇われている時とは異なりますが、それも自分のサロンの為だと思うと、苦にはならず頑張れるのです。
ネイリストを目指す方へメッセージ
美容業全般、華やかで楽しいような世界に見えがちですが、練習は地道なものですし、仕事もハードです。また、1対1でお客様と数時間過ごすので、技術だけでなく接客面もとても大切な部分です。
施術中は気持ちよく過ごして頂けるよう、お客様に合わせた空気感なども意識しなければなりません。
その為、下積み時代は苦労する事もあり実際辞めてしまう方も多いのが現実ですが、1人前のネイリストになった時に、その経験がすべて活かされるはずです。
私は仕事が嫌だと思った事は1度もありません。プライベートサロンOPEN後は特にですが、来て下さるお客様を思い浮かべてデザインを考えるのも楽しく 『前回お話していた事はどうなったかな…♪』と、お会いできる事自体が嬉しいのです。
そしてお客様から、『ネイルが仕事のモチベーションUPになっています』、『毎月ネイルの時間を楽しみにしています』と素敵な言葉を頂けることもエネルギーになりますね。
自分が大好きなネイルを仕事に出来て、目の前のお客様が喜んでくれる。 本当に幸せな事です。
ネイルが好き、人と接することが好きという気持ちがあれば辛い下積み時代も乗り越えることはできるはずです。是非本気で取り組み、ネイリストとして幸せに働いて欲しいと思います。
転職を考えている方へ
私も美容師から転職しネイリストになりました。まっすぐネイルの道に進んだ方と比べ、6年も差があると思うと最初は不安もありましたが、いざネイルの世界に飛び込んでみると、転職してネイリストを目指すというのは問題ではないと気づきました。むしろ接客業から転職したことで、様々な経験を活かすことができたのです。
今は検定を持っていなくても就職できるネイルサロンも増えていますが、基礎を学ぶ為に、どんな形のスクールでも良いのでプロに直接習い、1つでも検定習得を目指す事をオススメします。検定を持っている事自体というより、その為の練習に意味があります。
自宅サロンを考えている方へ
自宅サロンを考えている方も、可能であればアルバイトやパートタイムでもいいので、サロン勤務経験はした方がより良いと思います。検定を取る為の技術と、実際にお客様にする1人1人に合わせた技術はまた違います。
決してラクな仕事ではありませんが、ネイルが好きな方なら、やり甲斐を感じられる素敵なお仕事です。私もプライベートサロンをOPENしたばかりなので、まだまだこれからだと思っています。
ネイル業界では新しい技術やデザインが次々と出ています。ネイリストになれたからゴールというわけではなく、常に勉強し続けるという意識を大切にしています。皆さんも一緒に頑張りましょう!
private nail salon Lila (リーラ)について
自分自身が美容師時代にひどく手荒れしていた事もあり、手や爪のお手入れが行き届いている事での満足感を、とても大切に感じております。ジェルネイルをする事で得られる小さなHAPPYを精一杯お届けしたい!そんな気持ちで念願のプライベートサロンをOPENいたしました。
ネイルはファッションの一部、身だしなみの一部です。
トータルバランスを考え、お客様ご希望の雰囲気や、ファッション、ライフスタイルにマッチする美しいネイル、手元がより綺麗に見えるよう、女性らしくシンプルな中にも、トレンドを品よく取り入れたデザイン、飽きのこない、洗練されたお洒落感を大切にしています。
思わずご自身のお爪を何度も眺めてしまうような、そんな素敵なジェルネイルを目指して、精一杯施術させていただきます。
毎月続けられる価格、安心安全な技術、可愛いデザインで、皆様にもっともっと楽しんで頂けるジェルネイルを。自宅サロンだからこそ叶う、高技術とこだわりのデザインを良心的な価格でご提供いたします。