中央区八丁堀駅近く、オフィス街の中にあるサロン&スクール「Knail」は現役のスクール講師から学べるということで、口コミで人気のプライベートスクール。特に、現役ネイリストさんや、ヘアスタイリストさんが、レベルアップを目的に通われていて、検定対策レッスンでは、合格率は80%を超えるといいます。
現在、「Knail」系列店を含めて2店舗を運営するオーナーであり、講師も勤められている石堂 公誉さんは、大手ネイルスクールでのネイル講師や日本ネイリスト協会認定講師の活動だけでなく、ネイルメーカーのエデュケーター活動や他サロンへのコンサルテーション、外部セミナーを行うなど幅広く活動されている方。ご自身の経歴やネイリストさんに向けてのメッセージをお聞きしてきました。
スクールの主な特徴
- JNA認定校
- フリータイム制あり
- 少人数制あり
- 検定合格保証
- 教材,材料貸出し
- 託児所完備
- 就職サポート
- 独立,開業支援
- サロン併設
- スクール寮あり
まず、びっくりしたのが石堂さんの経歴です。A4用紙にびっしり3枚以上ある経歴書は初めてです。まず、ネイリストになったきっかけから教えてください。
2000年、短大在学中にNSJネイルアカデミーに入学しネイルを学び始めました。高校時代からネイルが好きだったこともあり、最初からWスクールで通うことを決めていたんです。
両立期間は入門コースからスタートし、短大卒業後、就職を意識し始めたころからプロ養成コースで学びました。このNSJで当時の講師の方々から学んだ経験は、実は今、自分が講師として活動する中でも大いに生きているんです。当時の講師陣は、全員コンテストに出て優勝経験もある上、現役でサロンにも出られている方々ばかり。他スクールと比較検討したとき、飛びぬけて講師のレベルが高かったんです。
その講師に、直接カウンセリングして頂いた時の感動が、この世界へ入る後押しになったことは間違いありません。そう考えると、やはり指導者の影響は大きいですね。「ネイリストとはどういう仕事で、どのくらいのレベルであるべきか」を教えてもらいましたし、だからこそ「妥協なし!」とにかく厳しかった(笑)。でも、ここで学んだプロ意識は、サロンに出ている時も、講師として教える側になった今も、大事なものになっています。
在学中からコンテストにも出られて、就職前後に検定も1級まで取られていますが、先ほど、「このコンテストや検定は大変じゃなかった」とおっしゃっていましたね。
当時は友人と練習することがとにかく楽しかったんです。寮から通っている子と授業に出て、一緒に寮に行かせてもらっては練習する生活。部活のような感覚で検定もコンテストも出ていましたので、いつの間にか結果がついてきていました。
むしろ、私が苦労したのは、就職してから。これはスクール生にも伝えていますが、検定が取れたことと、サロンワークで使えるネイリストになることは全くの別物。技術は当然、接客もありお金も発生します。当時私が就職し、初めて勤務したのが銀座であったこともまた苦労した要因のひとつですね。
ネイルサロン勤務の頃のお話をぜひ聞かせてください。
先生のススメもあって就職した大手ネイルサロンで2ヶ月の研修し、すぐに店舗配属になりました。鳴り物入りで銀座にオープンするセレクトショップ施設内の新サロンスタッフとしてのスタートでしたが、始まってすぐ壁にぶつかります。
銀座、さらに話題のスポットとなれば、来る方も当然ぐっと洗練された方ばかり。全員が年上ですし、時間がない中寄ってくださるキャリアウーマンの方も多く、その方たちのニーズについていくのに必死でした。
価格云々より、「早くてうまい」に越したことはない。そこが当たり前とされる中、求められている技術も接客も、資格で勉強したものとは全く別の世界!休みも営業後も必死に練習する日々でしたね。
このネイルサロン勤務時代には、チーフとなり、教える立場も経験されていますね。
ネイル業界はまだまだ未熟でしたし、やめていく子も多い中、2年ほどたてばもうベテランの域。ただ、ここでマネージメントする立場となるも、年齢はまだ23歳。ここでも挫折を経験します。
スクールのスパルタ方式はサロンでの教育では難しく、なかなかついてくる子がいなかった。技術にしても、今日やって明日できるようになるものではない。それでも、与えられた環境で技術を残すためには、「どうしたらお客様が満足してくれるかを考える」ことに注力し、人材育成をしました。
“技術職の前に接客業であること。”この時代の学びです。今の生徒たちを見ても、実はこの試練に耐えられずにやめてしまう子も多いですね。
スタッフも安定し、店舗も軌道にのり、繁盛店に成長した頃、ネイルアレルギーを発症されてしまったとのこと。これが講師への道のきっかけにもなるんですね。
実はアレルギーとも分からず、1年くらいはごまかしながらやっていたんです。全社員の中の10名が行ける海外コンテストにも選出されるまでにもなり、店長まで任されるようになったので、一番面白い時期ではあったのですが、退社を決め、その時から認定講師になろうという決心をしたんです。
療養もしながら、認定講師の試験に合格し、今もお世話になっている大手ネイルスクールでの非常勤講師として週3回教えるようになります。
実は同時進行で、以前から興味のあったヘアメイクの勉強もスタートし、ヘアメイクも、現場に出てお金を頂けるまでの技術を身につけたいと、美容室でのアルバイトも平行していました。
講師に加え、トータルビューティを手がける勉強をし続けられたことで、開業につながったんですね。
療養を経て少したった頃、以前からのお客様の問い合わせも多くなり、やはり自分自身、お客様にネイルをしたいという気持ちは変わらずあったので、アレルギーもあるので多くは施術できないけれど、今までのスタイルとは別のやり方で1人1人に向かい合える場がほしいと思い、開業しました。
フリーとして活動する原点として、部屋探しからスタートし、料金表やHPを作るところからやったことは、講師として生徒に伝えられる経験としても役立っています。
フリーネイリストとして講師やサロンワークをしながらも、注目すべきは新たに国家資格である美容師免許まで取得されていることです。トータルビューティを極めたいという思いはお聞きしましたが、認定講師だったからこそ合格できた面があるとのこと。
ヘアメイクの勉強を始めたのは、興味があったのはもちろんですが、美容業界と言う大きな世界でネイリストとしての自分、ネイリストの講師としての自分を見つめ、高めたいという思いがあったから。
というのも、ブライダルのお仕事などでより広い美容の世界を前にしたとき、国家資格の持つ力の大きさは実感していたんです。ネイリスト検定は国家資格ではありませんが、その業界できちんと認められるには、やはり資格は持っていないと通用しない事実は間違いなくあります。
もちろん、そこから先は、私が苦労したように、現場でどんどんスキルアップすることが必要ですが、どんな資格でも、やり方やコツはあり、そこを抑えていればきちんと合格することができますから。
実際私が仕事をしながらも美容師免許に合格したのは、自分なりのマニュアルを作り、ここを落とさなければ受かる、という点を重点的に勉強したからだと思っています。
経験談から、検定と現場で求められている技術には大きく違いがあるともおっしゃっていましたが、それでも検定試験に受かることは大事な通過点だということですね。
そうですね。実際、ネイル業界は資格がなくても働くことはできますが、よりいい条件で、よりいい環境で仕事につくためにはやはり有効な手段です。
問題は、そこを通過点と思っているか否か。なかなか実感として身につくには経験が伴わないと難しい部分ではありますが、私の授業ではここをしっかり伝えていくように心がけています。
その後、石堂さんが開いたのが、こちらのサロン&スクール「Knail」。ライフスタイルの変化もあったということですが。
結婚したころ、すでに開業していたプライベートサロンの方に、スクールの卒業生中心に、「サロンに出てから出来ない技術があるので教えてほしい」、「取りきれなかった検定の勉強をしたい」、「ずっと1級が受からないお友達を見てくれないか」など、マンツーマンレッスンの依頼が増えてきたので、思い切って開いたのが現在のこちらのサロン&スクールです。
同時期に妊娠出産もしましたが、この場所があることで、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができていますね。
現在は、レベルアップコースの方がほとんどだとお聞きしましたが、背景にはどういったことがあるのでしょうか?
「開業するにあたって、できるメニューを増やしたい」「コンテストに出たい」「認定講師の資格をとりたい」「美容師ですがプラスαの技術を取得したい」など動機はさまざまです。
実は自分自身、サロンをはじめ、スクールを始めたことで、現状のネイリストの置かれている状況を目の当たりにすることになりました。
5年ほどサロンワーク暦がある子も、正直使いものにならないと感じることもあります。ケアも込みでお客様のことを考えた技術を提供することはもはや当然ではなかったりするんです。
資格ありきになると、ジェルだけ取りあえずのせてOKとしているスクールも実際あるんです。改めて技術を習得したいと言う要望が多いのはそういった背景もありますね。
大手スクールの講師もされている石堂さんですが、ご自身のスクールと大手の違い、メリットはどんなことでしょう?
現在教えているスクールでは、だいたい1クラス6人くらいを教えます。最初に言うのは、「一番出来る子にレベルを合わせて進んでいくよ」ということ。個々のレベルに合わせきれないのは正直あります。出来る子についていきながら学んでいくのが大手のやり方で、もちろんフォローアップ体制も整ってはいますが、正直それがつらい子もいるのは事実です。
一方で、個別レッスンでは、出来ない部分にあわせて教えることができますよね。個性により、大手の方が向いている子もいますから、そこは最初にお伝えしています。
ネイリストさんになりたい人に向けて何かメッセージを下さい。
少し前の私であれば、「明確な目標を持って進んでいけば必ずやっていける」と明言していたと思います。でも、色々なスタッフを雇い、個々の状況も見てきて、さらに子どもを持ったことで、考え方が少し変わりました。
ネイルは、練習すれば技術は身につきますし、それは裏切ることはありません。そこまでの道のりは大変ですが、正直、ネイリストになってからも先は長いんです。だからこそ、あまり考えすぎてしまうと続きませんし、今できることを精一杯やればいいと思っています。
女性はライフステージによって働き方も生き方も変わるもの。もし妊娠して子どもが生まれた時、続けられないことがあるかもしれませんが、その時は息抜きに自分の爪をやってもいいし、家族やお友達にやってあげてもいいわけです。それでもネイルをやってきた価値はありますから。
そのくらい、いい意味で気負いすぎず、やりたい気持ちを優先して飛び込んでもらえたらいいかなと思いますね。
ネイルの勉強を始めてから18年、多くの経験をつんできた石堂さんの言葉には、それだけの説得力がありました。現在は月に50名ほどのお客様を施術しながら、生徒さんと向かい合う日々。ライフワークバランスを考えた仕事のスタイルは、ネイリストさんたちにとって、10年後20年後のいいロールモデルともいえるでしょう。
スクール基本情報 | |
---|---|
スクール名 | サロン&スクールKnail |
TEL | 03-3551-0011 |
住所 | 東京都中央区新川2-21-5 |
校数 | 1校 |
おすすめコース | 【プロフェッショナルコース プロトータル】 受講費用:¥410,000(教材費:¥70,000) 授業時間:123時間(41回) 用途:基本からサロンワークに必要な知識と技術まで学べるコース。※ネイリスト技能検定3・2級&ジェルネイル検定初・中級対応 【レベルアップコース】 |
サイトURL | http://knail.jp |
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