今でこそ日本にもネイル文化が浸透し、サロン・スクール共に全国多数存在していますが、ここ「安气子ネイルアートアカデミー」を木村安气子校長が設立された当時、日本には、そもそもネイルスクール以前に、ネイルサロンというものがほぼない時代。
35年間、ネイル文化を普及させるために尽力しつつ、今なお最前線に講師として立ち続けている安气子校長は、現在、スクールの他、東京都内の大手有名デパート等に4店舗のサロンも運営されています。
日本のネイル業界の先頭に立ち続け、切り開いてきた安气子校長が見てきた風景はどんなものだったのか、ネイリストに必要なものは何なのか。お話をお伺いしました。
スクールの主な特徴
- JNA認定校
- フリータイム制あり
- 少人数制あり
- 検定合格保証
- 教材,材料貸出し
- 託児所完備
- 就職サポート
- 独立,開業支援
- サロン併設
- スクール寮あり
プロフィールを拝見しましたが、ネイルの業界に足を踏み入れたのはアメリカ留学時代だったということ、ネイリストとなるまでの過程を教えてください。
高校在学中の1976年、まだ留学は珍しい頃でしたが、叔母がアメリカにいて私には身近な国だったこともあり、思い切って渡米したんです。最初は1年程度の予定が、英語力もつき、面白くなってきたことで、結局、高校、短大を経て大学まで卒業することに(笑)大学ではイラストとグラフィックデザインを専攻しましたので、本当は帰国後、その道に進みたい気持ちもあったんですが、それこそ当時の日本ではこの分野もまだまだ未開拓。
そこで、何かあと1つ手に技術を持って帰りたい、と探した時に見つけたのがネイル専門校(リチャードビューティーカレッジ)でした。「ネイルには絵が描ける」と知ったことも大きく、この分野ならば自分が今まで勉強したものが生かせるかもしれないとも思ったんです。
アメリカでは、これから伸びていく分野として、展示会やコンペなども開催され始めた頃でもありましたし、元々創り上げていくのが好きな私にとって、ネイルで表現できる世界はとても楽しく魅力的でした。カリフォルニア州公認のライセンスを取得後に出たネイルアートコンテストで1位となり、雑誌などに取り上げていただいたことにも後押しされ、その実績を持って、「日本でネイルを広めたい!」という思いと共に帰国しました。
帰国された時も、まだネイルサロンは東京に1件しかなかったという時代、ここからどのようにネイル文化を広げていかれたのでしょう?
まず、「ネイル」というものを皆さんに知ってもらう活動です。最初は様々なツテを頼り、雑誌社を紹介してもらったり、大きなバッグを持って色々な家にお邪魔して出張ネイルをするところからスタート。
転機がきたのは、表参道にあるスパイラルビルが出来る時、ワコールさんが日本初の総合美容室を立ち上げるというプロジェクトでネイルサロンを手伝ってほしいというお声掛けを頂いた事です。ここではトータル10年ほどネイルサロンをさせていただきました。ようやく土台が出来てきたこともあり、この間には慣れない営業もしましたよ。どうしてもプランタン銀座さんでネイルをやらせていただきたいと交渉を重ね、やっと机ひとつ頂いて開業した時には嬉しかったですね。
さまざまな経緯を経て、1995年に代官山にネイルサロンをオープンさせたのが、今の「ネイルハウス安气子」につながっています。
スクールは帰国後比較的すぐに開校されたとお聞きしました。サロンを作ったのはそこにも関係があるのでしょうか?
やはり自分ひとりではネイルを広めるにも力が足りないので、「仲間を作らなければ」と、出張ネイルをしながら1983年に安气子ネイルアートアカデミーを開設し、スクール運営及び指導を開始しました。
当時から、この生徒さんが育って集まり、サロンで働ける仕組みを作りたいという思いがありましたので、サロン運営をするようになっても、同時並行で生徒さんを教える日々でしたね。
アメリカでの技術を日本のお客様用にアレンジして教え、当時はまだ検定試験もなかった時代なので、アメリカにいってカリフォルニアの資格を取れることを売りにしていたんです。実際、定期的に生徒さんをアメリカに連れていって資格試験を受けてもらっていました。
安气子校長は、日本のネイルブームの盛り上がりも一緒に体感してこられたと思いますが、スクールに通われる方も変化しましたか?
ここ15年くらいの間にネイル業界が変わったのはやはりソフトジェルの普及が大きく影響していますね。ポリッシュはすぐに取れてしまうし、持ちがよくないと経済的にも頻繁には通えない。でも、持ちもよく簡単に取れて爪を比較的いためない、さらに色もあるカラージェルが出てから急激に伸びました。カリフォルニアではハードジェルしかなかったので、私にとっても革命的な出来事でした。
ネイル業界が盛り上がる一方で、ネイリストになりたい、開業したいという方も急増しましたね。ネイリスト一本でやりたい、という方も変わらずいらっしゃる一方で、OLさんやママ層も多くいらっしゃるようになりました。
老舗でこれだけ続けられている信頼・ブランド力はやはり一番魅力ですし、今でも最前線で講師に立たれている安气子校長が大事にされていることはなんでしょうか?
やはり、ケアカラーです。今はどうしてもジェルの技術に走りがちな風潮がありますよね。ケアカラーを飛ばして色だけ塗ること、アートとジェルのみしか学んでいないという方も珍しくありません。
資格を取ることを優先にした風潮もありますが、やはり基本はケアがないときれいに色も塗れないし、ジェルも乗せられないし、アートも映えないもの。ネイルサロンとして、商売的に効率よく稼ぐとなれば綺麗事は言っていられない、という部分もあるのは分かるのですが、ちょっと時間はかかるかもしれないけれど、長い目でお客様のことを考えると、絶対にケアをしっかりやることが必要ですし、その想いは必ず気持ちのいい接客にもつながります。
この姿勢は35年間変わりませんし、逆に、その基本の姿勢を「いいな」と思って下さる方であれば、必ず身になって返ってくるとも思っています。
安气子校長は、NPO法人 I-NAIL-A(インターナショナルネイルアソシエーション)理事長でもいらっしゃいます。この活動もまた、そういった想いがあるからこそですね。
色々な経緯があり、途中からこの理事長の職を引きついだのですが、うちの協会では、結果はもちろんのこと、途中の過程を細かくチェックするんです。
テーブルセッティングの仕方、衛生的な部分、ゴミの処理、出来上がりと共に管理もしっかりみていく。これは、サロンで働く前提なのであれば、ここまで気持ちを込められているかが実は一番大事なことです。結果がよければ何でもいいと言うのはやはり違いますね。そんな想いで関わっています。
ネイリストという仕事に大事なこと、また醍醐味など、これから学びたいという方へメッセージをお願いします。
やはり一番大事なのは「この仕事が好きであること」。人を綺麗にする、ということに喜びを感じられる人ですよね。逆に言えば、華やかそうに見えて実は地味な仕事ですから、そうじゃないと続けられないんです。
ネイリストという仕事は、女性でも生涯を賭けてできる仕事です。お客さんの間近で反応がみられるのが一番の醍醐味。結果がここまで早く見られる仕事はないんじゃないかと思います。
お客さまにとっても、メイクやヘアは鏡越しでしか見られませんが、ネイルは直接目にできる、だからこそ声が直接聞ける楽しい仕事でもあります。それがまた自分を満たし、続けていくパワーにつながっていく事は何よりのやりがいになるはずです。
今のネイル業界では、SNSの普及もあり例えばインスタフォロワー数万人というアーティストさんも出始めました。その影響もあり、こぞってSNSにアップする風潮もありますよね。PRも必要ですからツールとしてはもちろんいいと思います。
ただ、写真だけだと加工できてしまいますし、ネイリストとして根本的に忘れてほしくないのは、「あくまで、実際にお客様にやってさしあげて、喜んでいただくことが本業であること、お客様が求めていることに向かい合う姿勢」です。
勉強は大変ですが、そのための勉強だと思ってがんばっていただきたいですね!
日本のネイル業界を切り開いた先駆者、またあれだけの一等地でのネイルサロン展開もされていらっしゃるということで、緊張して臨んだインタビューでしたが、とても柔らかい雰囲気で、全く偉ぶることなく、ずっと同じ目線で明るくお話して下さった安气子校長。
誰よりも多くの世界を見て経験を積まれた校長に直接指導して頂けるのは何よりの魅力だと感じさせてくれるインタビューとなりました。
スクール基本情報 | |
---|---|
スクール名 | 安气子ネイルアートアカデミー |
TEL | 03-6450-4624 |
住所 | 東京都渋谷区恵比寿1-22-8 ヤマベビル6F |
校数 | 1校 |
おすすめコース | 【プロフェッショナルコース】 受講費用:¥850,500(教材費:¥37,800) 授業時間:297時間 用途:サロンワークで必要なすべての技術と知識が学べるコース。 【プロフェッショナルジェルコース】 |
サイトURL | www.akiko-nail.com |
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