接客の礎(いしずえ)となる「キレイな心」の育て方

今日は、ちょっとした心がけで必ず育つ、接客に一番大事な「心」について少しお話しようかと思います。漠然とした抽象的な表現ですが、その意図を解説していきますね。

こちらに寄せているコラムの中では以前から、様々な切り口で‘接客での大事な心構え’についてメッセージを発信させて頂いております。

ネイリストの皆さんに正直な感想をお聞きすれば、「もう十分分かってるから」「そんなキレイごとではすまされないよね」ということも多いでしょう。

確かに頭では分かっていても、理屈では理解していても、マニュアル通りにならないのが接客ですし、自分の気持ちも追いつかないことだってある。それも良く分かっています。

ただ、「今できるか、できないか」より、「接客に対してきちんと向かい合う姿勢があるか、ないか」という根っこの部分はとても大事。

その根っこはどうできあがるのか?それは間違いなく、とあることを、日々の積み重ねていくことでできあがってくるのです。

接客に向かい合う姿勢を築くとあることとは?
「何割かでいい、”人のために”を心に根付かせる習慣を身に付けること」これ、言葉にするとこんなにもサラッとしてしまうのですが、実はとてもとても大事です。

 

「人のため?ってなに?

寄付をするほどに、金銭的な余裕があるわけではないし、

ボランティア活動に参加するほどの時間に余裕もない。

気持ちはあるけど、自分にはなにもできないよ。」

 

パッと見てそんなことを思ってはいないでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
ここで『”人のために”を心に根付かせる習慣=キレイな心』がどう育つかについてお話しましょう。

 

わたしの会社は7階建ての7階にあります。
1階から6階までには様々な会社が入っていています。
広告代理店に不動産管理会社。保険の窓口もある。

大勢の人々が働いていますが、もちろんのこと
同じエレベーターに乗りあわせることもあります。

打合せの時間に遅れそうだ、どうしても何時何分の電車に乗りたい。
「お願い!エレベーターよ、停まるな!」
そんな時に限って、各階に停まってしまうものです。

そんな中、ひとりの女性が乗り込みます。
途中の階で降りていくわけですが、降りていく際には、
さりげなく閉めるのボタンを押していく。たった、それだけのこと。

それでも、わたしには神に見えました。
一瞬にしてこわばっていたわたしの心は穏やかに。
息を吹き返すことができました。

満員電車で、ぐずっている子供に席をゆずった日。
ちょっと照れながら、お母さんの顔を見上げ、いいの?と聞く子供。
申し訳なさそうに、「ありがとうございます」といって子供に座るように促すお母さん。

そんな、単純に良いことをした日は電車を降りてからの足取りが軽いことでしょう。
一日中、清々しく、穏やかで、きっと優しい顔をしています。

 

伝えたいこと、何となく分かって頂けたでしょうか?
この普通の日常の”人のために” こそが「キレイな心」のモト。
いつも、いつも”人のために” な女性にはキレイは宿りますし、そのキレイに人が集まってくるもの。

逆にいつも、いつも”自分のために” な女性には、執着心や嫉妬心など怖い悪魔が宿ります。
どこか不満気でどこか疲弊し、どこかイライラいしている。

いつも誰かと、自分を比べては、一喜一憂を繰り返す。
心の安定はありませんし、気がつかないうちに、はまっていく。

欲には終わりがないのです。
そんな心での接客で、人に力も、キレイも、与えられるとは思えません。

今、忙しい日々に身をおく貴方へ。
100%を誰かにささげる、なんてことは考えなくてもいいんです。普通は無理なことだから。

でも、10%でも20%でも、“人のために” を心の中に根付かせておくこと、
その気持ちで行動を起こすこと
が間違いなく安らかなキレイな心を育みます。

根付いたキレイな心は、
やがて、人格をつくり、顔をつくります。
歳を重ねるほどに、表面に現れますし、その人をまとう空気を作ります。

そしてそれは、間違いなく自然と人に伝わっていくものになる。
もちろん接客にも大いに通じるのです。

どんな小さなことでもいい。
”人のために”できること。

これらを、今日から少しずつ意識して、毎日すごしてみてください。
そして、少し行き詰ったときはまたこのお話を思い出してくださいね。

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