個人経営の小さなネイルサロンも多く、アルバイトやパートという雇用形態も多いネイリスト。福利厚生の充実はなかなか難しい…と思われがちな職業ですが、実際のところはどうなのでしょうか?
働きやすさとは何か、という観点も交えて見ていきましょう。
楽しく長く働ける環境とは
「好きな仕事内容」「給料が良い」「人間関係が良い」など、職場に求めるものは人それぞれ。ネイリストという仕事を選んだ皆さんなら、仕事内容であるネイルアートが好きという気持ちを持っているはずですから、楽しく働くことができるでしょう。しかしそれだけでは、長い目で見た時に仕事が続くかどうかはわかりません。待遇や働き方などの面で理想通りにいかないと、だんだん楽しい気持ちが薄れてきてしまいます。
アンケート結果では…
女性を対象にしたあるアンケート調査では、「長く働ける職場環境とは?」という問いに対して以下のような結果が出ました。
1位 「職場(上司・同僚)の理解がある」
2位 「待遇・福利厚生が充実している」
3位 「多様な働き方を実現する制度がある」
1位と3位については、やはり結婚・出産を意識した回答と言えるでしょう。そして2位の「待遇・福利厚生」は、働くにあたり基本的な労働条件となってきますので、これがしっかりしていないと安心して働くことができないと考えている方が多いようです。
福利厚生って具体的にはどんな内容?
福利厚生とは、簡単に言えば企業側が従業員に提供する給料以外のサービスのこと。健康保険や厚生年金、雇用保険や労災保険が一般的で、企業によっては保養所の利用や社員旅行、家賃補助や社員住宅の完備、独立支援制度などが挙げられます。「給料さえもらえれば良い」と思ってはいけません。社会保険等の充実はそのまま現在の家計における支出の減少、そして将来的にもらえる年金額の増額に結び付くので、長い目で見た時にかなり重要になるのです。
やはり楽しく長く仕事を続けるためには、仕事の楽しさや人間関係の円滑さだけでなく、福利厚生や待遇も重要と言えるでしょう。
ネイリストの地位向上を目指す会社もある
ネイリストの働く場所は、やはりネイルサロンが圧倒的に多いでしょう。その他、エステサロンや美容室、ブライダル関連会社などが挙げられます。いずれも大手企業から個人経営の小さなサロンまであり、待遇や福利厚生は様々です。
大手サロンと個人経営での違いは?
やはり大手企業の方が福利厚生も整っている傾向があり、家族経営のようなネイルサロンではなかなかそこまで手が行き届いていないケースも多いようです。
また正社員かパート・アルバイトかによっても異なります。正社員の場合、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の実施は会社側の義務。福利厚生はしっかりと受けられるでしょう。しかしパート・アルバイトになると、やはり保険制度は整っていないケースの方が多いようです。充実した福利厚生を求めるなら、大手企業の正社員を目指すのが良いかもしれません。
将来性を考えて改善を目指す傾向も
とはいえ、近年ではネイリストの重要性を考え、福利厚生に重点を置く会社も増えてきました。美容師などと違ってネイリストはまだまだ新しい職業。しかし現在ネイルアートは一般的にもかなり普及してきており、もはや美容業界になくてはならない分野となっています。手先の器用な日本人が作りだすデザイン性の高いネイルは海外からも注目されており、将来性も高いと言えるでしょう。
そのため、ネイリストの社会的地位の向上に力を入れ、理想的な労働条件を根付かせることを目指している会社も多々あります。
女性が活躍するネイリストという仕事
ネイルアートを楽しむのはほとんどが女性。そしてそんなネイルアートを施すネイリストも、やはり女性がほとんどです。割合としては、女性9:男性1。まさに女性が活躍できる職業と言えるでしょう。
可愛くてオシャレなネイルを作るには、美的センスや流行を敏感にキャッチするアンテナが必要です。そして手先の器用さや繊細さも必要なため、まさに女性にはぴったりの職業なのです。
女性だからこその働きやすい環境づくり
また女性が活躍する現場ということは、結婚・出産してからも働きやすいということでもあります。
パートやアルバイトといった雇用形態は、逆に言えば自分の好きな時間に勤務できるということ。事実、子供が生まれてからも一日数時間というパートタイムで仕事を続けている女性も大勢います。手に職を持っているため、ブランクが空いても大丈夫。周りも女性ばかりなので勤務時間についても理解を得やすいはずです。
また、自宅にネイルサロンを自分で開業する方や、フリーランスとして仕事を続けていく方もいます。将来設計を行いやすく、自分の目標や事情に合わせて働きやすい点もネイリストの特徴と言えるでしょう。
職場に求める条件は人によって異なります。雇用形態や勤務時間など、自分にとって何が大切なのかを考えましょう。迷った時には福利厚生や働き方を目安に選ぶのもひとつの手。
自分にとって理想的な職場を見つけて、納得した上でネイリストとして活躍しましょう。