4月はネイル検定の開催月です。初めての受験者はもちろん、2級1級などは何度もチャレンジしている再受験者の方も多くいらっしゃいます。
再受験をされる方は普段どのように自主練習をしていますか?
間違ったやり方をしてしまうと、時間ばかり浪費して結果に結びつかないということになりかねません。
キャリア17年の現役ネイルスクール講師が、再受験者の自主練習方法について解説します!
ネイル検定試験とは
ネイルサロンでネイリストとして働きたい方なら絶対条件なのがJNECネイル検定です。
試験は難易度に応じて3級~1級まであります。
・3級:ネイルのベーシックのマスター(ケア・カラー・アート)
・2級:プロとしてのサロンワークレベル(ケア・カラー・チップラップ・アート)
・1級:ネイルのスペシャリスト(アクリルイクステンション・アート)
3級はプロネイリスト希望ではない、趣味でネイルが好きな方も多く受験しています。2級以上になるとネイルサロン就職希望者の受験が大変多いです。
1級になるとサロン就職はもちろんのこと、今後ネイルスクールの講師としても活躍されたい方が、JNA認定講師受験のために受験される方が増えています。
特に難しいのが1・2級
ほとんどの方がネイルスクールで技術を学び検定を受験、卒業後に就職されるのですが、中には残念ながら不合格のままスクールを卒業する方も数多くいます。
このような場合、追加で受講をしない限りご自身で自主練をしながらネイル検定を再チャレンジすることになります。
スクールに通っている間なら、自分で練習した作品が出来ているかどうかを講師に見てもらえることができますが、自主練習の場合、だれもチェックしてくれる人がいません。
とくに、1・2級の場合、合格に求められるネイルケアの仕上がりやイクステンションのフォルムなどが自己採点できず、練習はしているのに改善されないという状態に陥っている方が非常に多いです。
自主練でやりがちなミス
講師の立場から言わせて頂くと、確実に合格をしたいのなら、追加での受講や検定対策セミナーに行く等、プロの手を借りた方が絶対に早道です。
具体的なアドバイスを効率よく学べるからです。しかし、極力費用をかけたくない場合は自主練習するしかありません。
1度受験しているからまた習いに行く必要はないと思って自主練習をいたずらに続けていると、気が付いたら3度目の受験、なんてことになりかねません。
自主練習で検定合格を目指す人がやってしまいがちなミスをご紹介しましょう。
同じ練習しかしていない
前回受験と同じような練習を繰り返し行っていると、何も進歩がなく同じ結果になるでしょう。
不合格結果には理由があります。まずは前回の作品の写真などを見て、良かった点・悪かった点を抽出しましょう。
目標像がわからないまま練習している
イクステンションのフォルムやネイルケアの仕上がりなど、求められるレベルは試験センターのホームページでも合格基準が掲載されています。
これらを熟読して練習していますか?不合格者の中には合格基準を見たことがないという方もいるんですよ!せっかくの有益な情報は活用しましょう。
合格作品をインスタで探す
「#ネイル検定合格作品」等で、合格受験者の本番作品をインスタなどで検索していませんか?
出てきた画像をもとにそれをマネして練習をしている・・、という方は非常に危険です!!とくに最近の受験生に多い特徴です。
次項では、なぜ画像検索がダメなのかの理由を解説しましょう。
インスタ検索がダメな理由
インスタの普及で、ネイル画像の検索が格段にしやすくなりました。「#検定合格作品」や「#ネイル検定1級」などのハッシュタグ検索をすれば、山ほど画像が出てきます。
実際に合格した人の作品を見るのはとても勉強になるので是非みていただきたいのですが、注意したいのはそれをそのままお手本にしてしまう、ということです。
ネイル検定の実技試験は数名の試験官でジャッジをし、全員の平均点で採点され、50点満点中38点以上で合格になります。
検索した画像が、38点のギリギリで合格した作品だったのか、満点に近い仕上がりだったのかは誰も知ることができません。
参考にしている作品がもし38点のギリギリ合格であったのなら、自分の求めるイメージもそれで固定されてしまうので、それ以上に良いものを作ることは難しいでしょう。
「こんな作品でも合格したんだから私も大丈夫」という、悪い見本探しはやめて、スクール運営をしているJNA認定講師の先生をフォローした方が良いですね。
作品を客観視しよう
検定練習で出来上がった作品をしっかりと見直していますか?出来上がるとそれに満足してしまい、すぐにオフしてやり直しということはないでしょうか。
せっかく時間と労力を費やしたのだから、出来上がった作品をしっかりと客観視することが大切です。まずは先述した試験センターの実技採点基準をもとに、自己採点をしましょう。
また、手を返して逆側から見たり、少し離れた場所から見るのもアウトラインなどの全景が見やすいです。2級以上は、「これを自分の爪にされて、自分は納得してお金を払えるか」という目線で見ることが大切です。
有料セミナーに行ってみる
自主練習を長期間続けていると、良くも悪くも自己流になりがちです。各プロショップやJNAなどでは認定講師による検定の対策セミナーを開催しています。あまりにも不合格が続いてしまう方は、有料セミナーに参加しましょう。
無料動画だけを見て学んだ(つもりになっている)のとは異なり、有料セミナーに参加すると、お金と時間をかけてこの場にいるわけですから、自分自身のモチベーションが全然違いますし、吸収するスピードも全然違うんですよ!
またセミナーに参加すると他の参加者からの質問なども聞けるので、自分では考えもつかなかった発見もできます。
これは検定に限らず全てに言えますが、身銭を切ってでも将来への「投資」と思って、有料セミナーには定期的に参加することをおススメします。
サロンワークと検定は「別物」
すでにサロンで働いている方の場合、技術は毎日接客をしているから特に検定練習はしなくても大丈夫、と考えている方も多くいます。
実は、サロンワークをしているベテランネイリストだからといって、検定に合格できるという訳ではありません。
じつは、サロンワークと検定試験は全く別物と考えた方が良いです。サロンワークはお客様が望むデザインをモチ良く施術しなくてはなりません。
対して、検定の場合は、検定要項に則ったやり方で採点基準を満たした施術が必要になります。道具のセッティングやファイルのかけ方など、サロンワークで良しとされていることが検定だと減点されてしまうことだってあるのです。
とくに1級のアクリルスカルプなどはサロンワークで作る形とはかなり違うので、サロンスタイルとごちゃごちゃになっているケースもあります。
サロンワークをしながら検定練習をされる方は、しっかりと頭を切り替えて練習をしましょう。
皆さんの合格を願っています!!