感情とマネージメントの間によい風を吹かせる方法

ネイリストさんの中には、自分自身もネイリストとして活躍しつつ、時間を見つけては後輩の指導にあたっている、そんな方も多くいるかと思います。実際に指導する立場以外にも、もちろん店長さんなどは、店全体のマネージメントをする中で、自然と技術以外の部分、接客、ネイリストとしての姿勢、同僚との関係性、さまざまな角度からアドバイスをしなければいけない立場ですよね。

実際、サロンの中ではいろんな事が起きていると思いますし、時にはイレギュラーな対応が必要なこともあります。そんな時、仲間として、上司として時として感情が溢れてしまうこと、ありませんか?今日はそんな時の気持ちの収め方、少しお話しますね。

ネイリストさんに限らず、「人に教える」という役割はどんな職場でも大事になってきます。人に教えられるようになるためには、自分がそれをしっかりできていることが当たり前、さらにそれを噛み砕いて、時にはやさしく、時には厳しく、相手の気持ちを立てながら、正しい方向に導いていく…と、言葉でサラッと書いてしまえば何となく簡単そうですが、これがたやすくできるなら苦労はいりません。

・新人でとにかく技術を磨くことに集中しなければいけない時期
・接客のイロハを学びながら同時に自分自身の接客スタイルを確立する時期
・お店の中での自分の役割を把握しながらやるべきことを見つけていく時期
・同僚や目上の人、職場の中で、それぞれの付き合い方で悩む時期

一部書き出してみましたが、その子の立場により指導する内容も違えば、方向性も多岐にわたりますし、正解も実はない。そのサロンの方針にもよりますが、やはり基本は指導者の力量に大きく左右されますよね。

さて、こんなに大事な役割であることをあえて書かせてもらえたのは、改めて、自分自身が担っている「自分の立場や役割」と「相手」のことを、少しだけ客観的に捉えてもらった上でお話をしたかったから。いつもの自分と、話を聞いている相手を想像しながら聞いてみてください。

まず、皆さんがおかれている環境は、時間がたっぷりあって、相手にも考える時間を与えられ、じっくり自分を見直してもらいながらマネージメントできる…というものではないですよね。おそらく、実際にサロンが稼動している中、最短で答えを導き出さなければいけないような状況下で最低限のアドバイスで感じ取ってもらう、そんな形が多いのではないかなと思います。そして時間に余裕がない場合は、自分自身にも余裕がなくなる場合が多いもの。これは誰だってそうです。

2極化したマネージメントは要注意!

そして、余裕がなくなると、どうしても「完全に白黒つける」マネージメントに寄りがちになります。何となく思い当たる方、いらっしゃいませんか?これは、仕事に限らず、どんな局面でもいえることで、

例えば、

・恋愛にありがちな、正論による正しさの証明
・仕事における完璧主義
・子供のしつけによる「いい」「悪い」

自分の優位性を保つためにあたかも自身が裁判官になったように白黒をつけるような言動が多くなります。多少余裕がある中での判断であればいいのですが、何かにおわれているような状況だとなかかなか難しいもの。

本来、人間は「自分は悪い」とか「自分には価値が無い」というのは感じたくない生き物です。そこには自分が悪者になりたくない、といった感情や負けを認めたくない、または、自己価値の証明が関わってきます。指導する立場、指導される立場、それぞれの気持ちが揺れ動きますよね。
実際そういう状況に置かれた場合、やはり圧倒的に主導権を握っているのは、指導する立場である場合が多いので、その「白黒つける」やり方が一種のパワハラのように見えてしまうケースも。

ちなみに、2極化した判断が習慣化してしまうと、自然と白黒をつける論理展開を日常的に使うようになってしまうから要注意!

ただ、白黒つけたがる性格は決して悪いということではありません。
裏を返すと、「真面目」「几帳面」「責任感が強い」といった性格だから起きること。
性格そのものが悪い、ということではないんです。

「ああ、ちょっと言い過ぎてしまったかな」
「でも何で言うことを聞いてくれないんだろう」
「なぜ自分が納得いかないと許せないのかしら」

などと、懸命に頑張っている自分を責めたりしていませんか?
大丈夫です。少しだけ考え方を変えてみましょう!

世の中には当然の事ながら、白黒だけでは解決しない状況があります。
むしろ、白黒では決着がつかない事柄が非常に多いように思います。
人の言動にしろ、行動にしろ、今の状況にしろ「そうなるには必ず訳があるもの」。
その訳を理解しようとする事こそが、自分の心とも向き合うことになり、感情と自己理解の間によい風を吹かせるんです。

自分自身をも含めて誰かや何かを裁くのではなく、その事柄に誠意と思いやりをもって向き合っていく、この姿勢や過程がとても大事!

そのために自分自身に許してあげて欲しいこと、それは、「白と黒の間、グレーという答えを持つ」ことです。

その場で解決しないものもある、少しくらいのユルさは吉。
肩の力を抜いて、少し引いてみることも立派なマネージメントです。

もちろん、白黒が大事な局面は確実にあるんです。ゆるみっぱなしは全くいい結果を生みません。でも、本当にずっと張り詰めているとやっぱり行き詰ってしまう。そんな時には自分のサロンで、働く側も、お客様も、全員が笑顔でいてくれる、そんな生き生きとした光景をを思い浮かべてみましょう。

自分の目指すべき方向と、その光景がリンクしていると、「よい」「悪い」の判断なんてどうでもよくなることも。店は自分だけでは作れない、自分以外の人の意思があり、みんなの総意が空気を作ります。
そんなことも踏まえて、ぜひ今日も皆さんで、素敵なお店を作ってくださいね。

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